forest_metafor_s.R

バイアス(内的バイアス、外的バイアス=非直接性)のモデルについては、Turner RM, Spiegelhalter DJ, Smith GC, Thompson SG: Bias modelling in evidence synthesis. J R Stat Soc Ser A Stat Soc 2009;172:21-47. PMID: 19381328 を参照。

Turner RMらのモデルのExcelおよびRを用いた応用については、森實敏夫:バイアスで調整したメタアナリシス。あいみっく Vol.38-1 (2017)、国際医学情報センタ-を参照。
Analysis: 効果指標がリスク比RR, リスク差RD, オッズ比OR, ハザード比HR, 平均値差MDのメタアナリシスを 実行し、Forest plotとFunnel plotを作成する。また、forest_metafor_b.Rにさらに次の解析を追加した。

単独群の率あるいは割合のメタアナリシス。さらに、RR、RD、MDのメタアナリシスの場合は、 対照群と介入群単独の率あるいは割合のメタアナリシスを同時に行い、Forest plotとFunnel plotを作成する。

メタアナリシスの手法は分散逆数法inverse-variance methodでmetaforのRestricted Maximum Likelihood (REML) Method によるランダム効果モデルrandom-effects modelを用いる。単独群の率あるいは割合のメタアナリシスでは、metaforのmeasure="PR"、すなわち変換しないままの割合の値を処理し、連続変数の平均値の場合は、measure="MN"、すなわち変換しない元の値のまま処理する。

リスク比RRについてはバイアス調整メタアナリシスも可能である。バイアスはリスク比でその効果の大きさを表し、対数スケール上で+1SDの値または 95%信頼区間上限値に相当するリスク比の値を設定する。これらのデータが含まれていない場合は、通常のメタアナリシスを実行する。

Forest plot作成にはforestplotパッケージを用いている。また、バイアス調整メタアナリシスを行った場合には、通常のメタアナリシス、 バイアス調整メタアナリシスのForest plot、それら2つを重ねたForest plot、バイアス効果だけのForest plotを同時に作成する。 Funnel plotは前二者についてmetaforの関数を用いて作成する。

Dependent package:"metafor" "forestplot"

metafor: Viechtbauer, W. (2010). Conducting meta-analyses in R with the metafor package. Journal of Statistical Software, 36(3), 1-48. Link

forestplot: Max Gordon [aut, cre], Thomas Lumley [aut, ctb]. Introduction Manual PDF

Data: データを一定の形式でExcelで用意する。解析実行の際には、 Excelでデータ範囲をコピーして、Rに戻り、Rエディタ中のスクリプトを実行すると結果が表示される。labelのカラムでForest plotでの表示ラベル、アウトカム、効果指標の種類、略称を指定する。研究のラベル、対照群の名称、介入群の名称、アウトカムの内容、効果指標の表示、 効果指標の略称の順である。効果指標の略称は、RR, RD, OR, HR, MD, PRのいずれかで、これ以外の効果指標のタイプには対応していない。


*biasはバイアス全体での効果をリスク比で表した値、biasusdは対数スケール上で+1SDの値をリスク比で表した値。バイアス効果に対して 95%信頼区間で設定する場合は、biasuciというラベル名にして その95%信頼区間上限値のリスク比の値を設定。バイアスの方向性の判定が困難で、不確実性だけが増加すると判定した場合は、 biasは1とし、不確実性の程度に応じて上限値を設定。
**青のボタンをクリックするとフィールド内のデータをコピーできるので、Excelに戻り、貼り付けて(Ctrl+V)形式を確認のこと。 このデータを直接解析したい場合は、同様のコピー操作後、RでRエディタ中のスクリプトを実行する。
***バイアス調整しない通常のメタアナリシスの場合は、biasのカラムの左側のカラムまでのデータを用いる。Excelでセルを選択する際もbiasの カラムの左側のカラムまでのデータ範囲を選択する。

Output: Forest plotとfunnel plotを作成。バイアス調整を行う場合は、 元の値とバイアス調整後のForest plotとFunnel plotを出力し、両者を並列したForest plotとバイアスのForest plotを出力する。